学校の先生たちはそれぞれ担当の業務を負っています。これは、校務分掌と呼ばれる業務分担制度です。その業務は担任としての業務と同じぐらいの大きな責任が伴います。
そんな大変な校務分掌とは一体どんな仕事なのでしょうか?この記事では校務分掌制度についてと、その仕事内容を紹介します。
校務分掌とは
校務分掌(こうむぶんしょう)とは、学校内における運営上必要な業務分担である。業務分担のために編制された組織系統を指すこともある。児童・生徒の生活・進路の指導や時間割の作成、保護者団体や同窓会など外部団体との交渉・調整などについて、それぞれを担当する分掌組織が中心となって業務を行う。
つまり、学校を運営するために必要な仕事を、先生たちで割り振って一緒に学校を作っていこうという制度です!
この校務分掌制度は全ての学校で行われていて、全ての先生は校務分掌の仕事を必ず受け持つことになります。ただし、その内容や名称は学校によって異なります。
例えば、私が小学校に勤めていた頃はこのような校務分掌が任されていました。
- 体育部会
- 特別活動部会
- 英語部会
- 清掃部会
- 安全部会
学校の規模によって所属する校務分掌の数や種類は様々ですが、一つの参考にしてください。
これらの部会に所属することにより、それに応じた校務分掌の仕事が任されます。一緒に仕事をするチームだと思ってください!
また、正規採用の教員となった場合には校務分掌の中の一つに、主任として位置づけられることがあり、その分掌の統括・指揮を取らなければいけません。
このように様々な校務分掌をもとに学校運営が成り立っているため、なくてはならない仕事となっています。
それぞれの学校運営の主な仕事内容
校務分掌を大きく分けると教科の校務分掌と、学校運営の校務分掌に分けることができます。ここからは学校運営の校務分掌の具体的な仕事内容を紹介します。各教科に関する校務分掌が知りたい場合は次のページをご覧ください。
生徒指導主任
生徒指導主任というと、大柄で強面な先生というイメージが多いですが、実は子供のことを一番に考えている先生であることが、その仕事内容からわかります。
生徒指導主任の主な仕事内容は以下の通りになります。
- 学校で起きた児童トラブルの把握・解決
- 児童の家庭環境問題の把握・解決
- 不登校傾向にある児童の把握・解決
- 学級で起きている問題(学級崩壊など)の把握・解決・助言
- 学校の決まりや長期休みの諸注意の精選
- 地域のパトロールや長期休みにはデパートやゲームセンターで見回り
このような仕事以外にも、生徒指導主任は学校の様々な子供の状況を把握しているため、子供のことで何か起きたら一番の相談役となってくれる場合が多いです。
子供のことを第一に考える生徒指導主任だからこそ、熱い指導をしている姿が多く見られるのかもしれませんね。
安全主任
安全主任は、登校から下校まで子供達の安全を確保して、安心した学校生活が送れるよう全力を注いでいます。安全主任の先生の主な仕事は以下の通りです。
- 児童の登下校指導
- 登校班の編成、変更受け付け
- 不審者情報の発信
- 避難訓練などの計画・運営
- 校舎内の安全点検
- 児童が迷子になった時は捜索活動の統括
安全主任は児童の前で大々的に指導したり、発表したりすることはありませんが、その業務量は非常に大きなものであり、緊急事に対応すべきことも多いです。まさに学校運営の縁の下の力持ち的な存在として、学校を大きく支えているポジションになります。
研修主任
基本的に学校には必ず一つ研究している教科があり、その研究を中心となって行っていくのが研修主任になります。
研修主任は、学校がどんな教科を研究しているか・どれだけ研修に力を入れているかによって業務内容や業務量は異なります。私が以前いた社会科を研究していた学校では以下のような仕事を請け負っていました。
- 社会科主任と連携しての教材研究
- 先生方への研修
- 研究発表の運営・統括
- 研修推進委員会の運営・’統括
保険主任・給食主任
こちらの主任は養護教諭や栄養教諭と連携して仕事を行うため、その補助という仕事が多いです。
- 給食目標・保険目標の提案
- 給食・保険に関する取り組みの提案
- 学校保険委員会の運営・統括
基本は補助であるため、他の分掌に比べて比較的業務量が少ないのが特徴です。
まとめ
- 校務分掌を大きく分けると教科の校務分掌と、学校運営の校務分掌に分けられる。
- 学校運営の校務分掌の中でも生徒指導主任・安全主任は大変!
- 給食主任や保険主任は養護教諭や栄養教諭の補助的な役割が多いため、比較的楽!
いかがだったでしょうか?校務分掌の中でも業務量は全く違います。楽な分掌を選んで他に力を使うか、やりがいのある分掌で力をつけるか、しっかりと考えて決めましょう!