ここ20年間の間に、特別支援教育を受ける子供の割合が倍増していることがわかっています。これは文部科学省の学校基本調査によって明らかとなりました。
知的障害者、肢体不自由者、身体虚弱者、弱視者、難聴者、その他障害のある者で、特別支援学級において教育を行うことが適当な者、その他教育上特別の支援を必要とする児童・生徒・幼児に対し、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な教育を行うこと。この中にはアスペルガー症候群、自閉症、学習障害、AD/HDといった発達障害の子供が含まれる。
それにともなって、特別支援学級(特別支援教育を提供する学級)が多くなって来ていますが、特別支援教育を要する児童を満足に通わせることはできていません。
また、保護者のなかには自分の子供が特別な支援が必要だということを認めたくない一心で普通学級に入れてしまう人もいます。
こういった理由から、普通学級の中にも一人以上の割合で特別な支援を要する児童がいるケースが多くなってきました。
では、実際に普通学級にはどんな児童がいるのでしょうか?
この記事では、特別な支援を要する児童の中でも最も多い2つの障害と、その支援の方法についてご紹介します。
学習障害(LD)
学習障害の児童は、ほとんどの能力に遅れはないものの、以下の能力のうちのどれかが一つだけできない障害です。
- 読み
- 書き
- 話す
- 計算
あなたが子供の頃にも、勉強や会話はひと通りできるのに、全く字がかけない子供などはいませんでしたか?
私が以前担任を持ったクラスの中にも学習障害を持つ子供がいました。
彼は普通におしゃべりをしたり、算数の計算をすごいスピードで解いたりとよく勉強ができていましたが、文字だけが全く書くことができず何を書いても解読できないようなミミズ文字になってしまっていました。
足りないところはみんなでカバー!LDの支援方法
学習障害の児童は、基本的に他の子供と変わらずに日常生活を送れますが、授業中に支援が必要となります。その時にはクラスの友達から足りない部分を支援できるような環境を作りましょう。
計算が苦手な場合は、計算の早い友達をサポートにつけてあげたり、話すのが苦手であれば、音読を隣の人と一緒にやったりと、教師が学習障害のために無理にハードルを下げてあげるのではなく、友達と協力して乗り越えられるような手立てをしましょう。
注意欠陥多動性障害(ADHD)
注意欠陥多動性障害は、ADHDと言われる方が多く、以下のような特性を持ちます。
- 不注意ー周りが見えていない。
- 多動性ー落ち着いていられない。
- 衝動性ー思ったら即行動してしまう。
このような特性から集団行動をすることが非常に困難となっていて、集団行動を前提としている普通の学校はあまり居心地のよいものではないことがわかります。
私が担任をしていたクラスにもADHDの子供がいて、授業中に的外れなことを言ってしまったり、大きな声で「あ!わかった!!!」と言ってしまったりといったことがありました。
ですが、彼はクラスの人気者でした!
裏を返せば人気者!?ADHDの支援方法
実はADHDの特性は全て裏を返すとその子の個性となって現れるのです。
今度は先ほどの3つを長所としてみてみましょう。
- 不注意ー1つのことに全神経を注いで考えることができる。
- 多動性ー様々なことに手を出せる。行動力がある。
- 衝動性ー人並みはずれた決断力がある。
学級経営においても、ADHDの子に対しては長所にフォーカスして褒めてあげることで、子供も自信を持つことができ、周りの友達からも信頼されるようになります。
「これは〇〇くんにしかできないことだね!」
そんな言葉をたくさんかけてあげられるような学級経営を心がけましょう。
まとめ
普通学級にいる特別な支援を要する児童と支援方法
- 学習障害(LD)ー友達による支援で協力する姿勢を育む。
- 注意欠陥多動性障害(ADHD)ー長所を見つけてクラスに広める。
いかがだったでしょうか?担任をするのなら今回ご紹介した2つの障害については確実に抑えておきましょう。
また今回ご紹介した支援方法は、あくまで私が実践してうまくいった事例なので、自分でも色々試してさらによい方法を見つけていってください!