今回も、刺激たっぷりのホラー映画を10作品ご紹介しようと思うのですが…!
今回ご紹介する10作品は!全て‥実話!!
実話ベースで作成されたホラー映画10選を、あらすじや見どころ、そして“気になる”元ネタにもスポットを当ててご紹介します!
10『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』
2008年に公開されたホラー映画『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』。
あらすじと見どころ
友人の結婚式を終え、クリスティンは恋人のジェームズと共に彼の別荘に向かう。午前4時を過ぎたころ、玄関のドアをノックする者が現れる。見知らぬ女が人を探している様子で立っていたが、すぐに帰っていった。
しかし、その後再び訪れた見知らぬ女とともに、マスクを付けた男女3人に突然襲われる…。
酷評されることの多いこの作品、私も初見はちょっとがっかりしました。内容的には、とにかく「びっくりさせてやるぞ!」な音響とかにまんまとびっくりするし、じわじわと精神的に追い込まれていく感じが終始怖ろしく、よくあるホラー作品として普通に良かったと思います。ただしかし!これだけもったいぶっておいて、結末が尻切れトンボというか…、「これで終わり…?」と、ちょっと拍子抜け。
しかし、未解決事件が元ネタとなっていると知った時、あの胸糞映画『ファニーゲーム』を思い出しました。『ファニーゲーム』を現実化したような気がして、何だか物凄くゾッとしました。現実の恐怖というものは「映画のように救われるものではない」ことを改めて実感…。「観る必要のない映画」「史上最強の胸糞映画」として名高い『ファニーゲーム』に好感を持てる方にはかなりおすすめです。
「#ファニーゲーム」1997/オーストリア
監督/脚本 #ミヒャエル・ハネケ
映画のお約束を裏切っていく脚本でそこが現実的でした
被害者は
自分の物を全て奪われる事を受け入れる作業
家族と自分の死を覚悟する作業
それを拘束と強迫の中でする
-想像を絶する精神負荷だと思う衝撃的であり異端な映画◎ pic.twitter.com/5W2Gj1uKKJ
— アネモネ (@nina_to_niva) February 21, 2020
今日の1本
「#ファニーゲーム 」
🥚卵から始まる嫌悪感しかないすごい映画。
一片のの救いもなく、ただひたすら理不尽で埋め尽くされて終わる
何がしたかったんだとか、考えちゃダメなんだろうなぁ#胸糞映画 #映画好きと繋がりたい pic.twitter.com/aAhC8A4n8z— ともちNOTE (@dougahaishin_ex) January 21, 2019
元ネタとは…?
この作品の元ネタとなったのは、1981年に起こったケディ殺人事件というもの。
リゾート地であるケディの山小屋で、家族のうち4人が何者かに殺害された事件で、未だに犯人が捕まらず、未解決のまま幕を閉じました。
Don't go anywhere..I'll be back w/Part 2 of the #KeddieCabinMurders at 10:29 on @CBSSacramento pic.twitter.com/kP6EYwfj9e
— Tony Lopez (@tlomedia) May 3, 2016
アメリカでは未だにテレビ番組などで取り上げられる、有名な未解決事件。
9『チャイルド・プレイ』
お次は出ました!殺人人形チャッキー!
あらすじと見どころ
逃亡中の殺人鬼チャールズ・リー・レイ(チャッキー)は、銃で撃たれオモチャ屋に逃げ込んだ。死の間際、ブードゥー教の秘術を使って、売り物のグッドガイ人形に自分の魂を移し人形になったチャッキー。人間の体を奪うべく、この人形を買った少年アンディの体を乗っ取ろうとする。
2019年にリメイク作品も公開された『チャイルド・プレイ』、なんと第1作目は1988年公開!
やはり一番の魅力は、エネルギッシュな殺人人形チャッキーでしょう。第1作目やリメイク作品では不気味さが際立っているのですが、続編が続くにつれコメディー感が強くなっていきます。人形のまま人形と結婚したり、人形の子どもができたりして(しかも子育ての方針で揉めたりする)。ヘラヘラ観ていたら、スピンオフがいきなり古典的なホラー映画になったりして…。飽きさせない作り方してます。こちらもシリーズとして、一気見おすすめです!
元ネタとは…?
「チャッキーが存在した!」というわけではないのですが、モデルとなった人形が存在します。それは、ロバート君人形というもの。
「ロバート君という男の子が、ブードゥー教や黒魔術に詳しい召し使いからもらった」(諸説あり)と伝えられる人形で、ロバート君の人形であったことからロバート君人形と呼ばれています。
人形をもらったロバート君は部屋にこもって人形と会話するようになり、日に日に暴力的になっていったとか…。
現在はフロリダの博物館に保管されているそうで、「写真を撮ると呪われる」など気味の悪い噂も…。
Have you heard of this haunted doll before? https://t.co/TZu6t5mQ2z @KWAHS #LoveFL pic.twitter.com/s0qKxPCACZ
— VISIT FLORIDA (@VISITFLORIDA) August 12, 2017
しかし、ロバート君人形のTシャツやグッズなども販売され、今では地域の重要な観光資源となっているそうです。
8『アメリカン・クライム』
2007年公開の映画で、主演は『JUNO/ジュノ』や『X-MEN: ファイナル ディシジョン』で知られるエレン・ペイジ。
あらすじと見どころ
舞台は1965年のアメリカ・インディアナ州。ガードルートは、6人の子どもを育てる36才のシングルマザー。年下の恋人との間に子どもを授かるが、恋人はお金の無心をするばかりだった。生活に困窮していたガードルートは、日曜礼拝で出会ったライケンス夫婦の娘2人を週20ドルで面倒を見ることに。
最初、姉シルビアと妹ジェニーに家族として接していたガードルートだったが、ライケンス夫妻からの小切手が途切れた途端、姉シルビアへの壮絶な暴力が始まるのだった。
これほどまでに「見どころ」が書けない映画はないかもしれません…。ノンフィクションと聞かされてもショッキングな内容なのに、これが現実というのは本当に受け入れがたいです。後述しますが、実際にあった事件を基に制作された映画で、かなりリアル。そのリアルさとは、虐待を受ける被害者の苦痛はもちろん、虐待する加害者の心理的な描写も忠実に再現しているところ…。
はっきり言って気分がよろしくない時は絶対観ない方がいい!100%鬱になります!(私はマジでしばらく食欲が無くなった)
しかし、「観なければ良かった」とは思えない。観たのはもう随分と昔だけど、今なお考えさせられる作品です。ホラー映画というカテゴリではないかもしれないけど、とてつもない恐怖に心臓が切られるような、恐ろしさと悲しみに縮こまってしまう、そんな映画です。
元ネタとは…?
『アメリカン・クライム』は、1965年に起きた「シルヴィア・ライケンス事件」を基に描いた作品。
ガートルード・バニシェフスキーは、アメリカインディアナ州の女性殺人者である。 ガートルードは、ジョン・バニシェフスキー、ポーラ・バニシェフスキー、リッキー・ホッブス、コイ・ハバードといった自身の子供達や近所の若者達を監督しながら、被害者であるシルヴィア・ライケンスへの拷問を助長させ、皮膚に文字を刻み付け、最終的に死に至らしめた。
「インディアナの犯罪史上で最も恐ろしい犯罪」と言われる残忍な事件。
ガートルードは懲役18年の有期刑で、1985年に出所後、60歳で肺がんで死亡しています。
7『テッド・バンディ』
2019年12月に公開されたばかりの映画『テッド・バンディ』。
アメリカの有名なシリアルキラー、テッド・バンディの恋人だったエリザベス・ケンドールの手記を基に制作されています。
あらすじと見どころ
シングルマザーのエリザベス・ケンドール(愛称リズ)は、ある日バーでテッド・バンディという男と出会った。彼は容姿端麗で気遣いができ、二人はすぐに恋に落ちた。リズの娘モリ―とテッドの仲も良好だった。しかし突然、女性を誘拐した容疑でテッドが逮捕されてしまう。リズはテッドの無罪を信じたが、テッドは有罪判決を受けて服役することに。その後脱獄したテッドは、フロリダ州で身柄を拘束、今度は連続殺人の容疑で裁判にかけられた。その後、テッドの残虐な犯行が明らかになっていく…。
原題は「Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile」で、意味は「極めて邪悪、衝撃的に凶悪で卑劣」。
「連続殺人鬼シリアルキラーのテッド・バンディ」一度は聞いたことがある名前だと思います。こちらの映画、テッド・バンディ役を演じたザック・エフロンがめちゃくちゃ良かった!シリアルキラーが普通の青年っぽく見える、その辺にいそうな恐怖感を存分に感じさせてくれました。おぞましい描写がない分、殺人鬼と幸せに暮らすシーンがもう…鳥肌もの。
いやでも、本当ザックはいかんよ。カッコイイもん。爽やかイケメン殺人鬼だもん。
元ネタとは…?
アメリカのシリアルキラー、セオドア・ロバート・バンディ(通称テッド・バンディ)の恋人だった女性エリザベス・ケンドールの回想録が原作。
セオドア・ロバート・バンディ(1946年11月24日~1989年1月24日)は、アメリカのシリアルキラーであり、誘拐、強姦、強盗犯である。少なくとも1970年代から多数の若い女性を強姦、殺害するとともに死体に対する凌辱も行っていた。死刑執行の直前に、10年以上も否認してきた殺人事件について自白を始め、1974年から1978年の間に7つの州で30人を殺害していることが明らかになった。被害者の実数は不明だが、おそらくはこの数字を上回る。
元カノだけが知る、“シリアルキラー”テッド・バンディの別の顔とは… https://t.co/Bt3rz4vcnD
— シネマカフェcinemacafe.net (@cinema_cafe) December 21, 2019
Amazonプライムビデオでかなり興味深いドキュメンタリー番組を発見しました!
『テッド・バンディ ~連続殺人犯を愛した女~』
『#テッド・バンディ ~連続殺人犯を愛した女~』<独占>見放題配信開始
映画公開中で話題の“シリアルキラー”の犯罪を、恋人だったエリザベス・ケンドール、娘モリーら生還者達が真実を語り、女性の観点から再検証するドキュメンタリー。
視聴はこちら☞https://t.co/5EqO4vnTe3#Amazonプライムビデオ pic.twitter.com/wAhHIoJWcg— Amazon Prime Video(プライムビデオ) (@PrimeVideo_JP) January 31, 2020
Amazonプライムビデオの独占配信になっていますので、Amazonプライム会員しか視聴できません。
テッド・バンディは爽やかイケメンではなく、正真正銘のサイコパスな殺人鬼だったんだなぁと…当たり前のことを思い出しました。
また、エリザベスさんが頭の良いごく普通の女性で、でもそれこそが更にテッド・バンディを恐ろしくさせるドキュメンタリー作品。
6『アナベル死霊館の人形』
前回の「シリーズものホラー作品」でもご紹介しました『死霊館』シリーズのスピンオフ作品『アナベル死霊館の人形』。
あらすじと見どころ
1967年、第一子を待ち望む夫ジョンと妻のミア夫婦は仲睦まじく暮らしていた。ある日、出産を控えたミアにビンテージの人形をプレゼントしたジョン。その夜、2人は見知らぬ男女に襲われる。駆けつけた警察官とジョンにより、一命を取り留めたミアだったが、薄れゆく意識の中で人形を抱えて自殺する女の姿を見る。
それから不気味なことが頻繁に起こるようになり、人形を処分した夫婦だったが…。
とても古典的なホラー作品だと思います。ある意味でとても安心するというか、「やっぱりね!」的な展開が楽しいというか…。そして、恐怖の対象がアメリカンな感じなので、「ん?今の何?」と巻き戻してスローで観てしまってビビるとか、そんな映画です。(どんな映画…)
「なあんだ!たいしたことないじゃん!」と思わせておいてからの「エグイ事実」という…。とにかくドキドキハラハラさせておいて、「実在する」という現実にジトッとした恐怖が印象的な作品でした。
元ネタとは…?
こちらのアナベル人形さんですが、アメリカの超常現象研究家であるエド&ロレイン・ウォーレン夫妻が所有するオカルト博物館に厳重に保管されています。
映画では「いかにも悪霊が取り憑いちゃってます!」な風貌のアナベル人形。
実際は、とても可愛らしいぬいぐるみのような人形なんです。
こちらが本物の #アナベル人形 です
おわかりいただけただろうか、この可愛さを…#死霊館の実況祭 pic.twitter.com/vFTgXkoQla— ワーナーホラー部【公式】 (@horror_ent) September 8, 2018
1970年、アンティークショップで「娘へのプレゼントに」と人形を購入した母親。しかし、その人形は度々位置が変わり、時には「異常だ」と思うほど移動したりしていたそう。
霊媒師に相談した母娘は、「アナベル・ヒギンズという少女の霊が取り憑いてる」と聞かされますが、その後も奇妙な出来事が起こり、心霊研究家として有名だったウォーレン夫妻に相談。
ウォーレン夫妻は「少女の霊ではなく、悪霊が取り憑いている」と考え、教会で悪魔祓いをし、そのまま引き取ったそうです。
「絶対に開けるな!」「絶対に触るな!」という注意書きと共に、今もなお、月に2回神父が清めているのだとか…。
5『ESエス』
2002年に公開されたドイツ映画『ESエス』は、スタンフォード大学で実際に行われた実験に基づいた作品。
アメリカではリメイク作品として、2010年に『エクスペリメント』2015年には『プリズン・エクスペリメント』が公開。未だに問題視されている実験といえます。
あらすじと見どころ
記者兼タクシードライバーとして働くタレクはある日、「実験者募集」と書かれた新聞広告を目にする。
その内容は、「拘束時間は2週間」「報酬は4000マルク(約25万円)」「応募資格は不問」「実施場所は大学内模擬刑務所」というもので、20人の男を「看守」と「囚人」に分け、その役になりきるというものであった。
タレクは高額な報酬と「記事になる最高のネタ」と考え、超小型カメラをメガネに仕込み、実験に参加する。初日こそ和やかに過ごしていたが、日に日に看守側と囚人側の対立が根深いものとなっていく…。
こちらは、3度目の映画化となった『プリズン・エクスペリメント』の予告。
私が初めてこの作品を観たのは、学生時代に心理学を学んでいる友人から「課題で見るように言われたから」と一緒に見たことがきっかけ。なので、視聴したのはもう随分前になるのですが、未だにあのラストまでの緊迫感と人間の感情に対する絶望感は、忘れることができません。
殺人鬼や犯罪者のような「異常であり、自分とは違う人間が引き起こす恐怖」ではなく、「普通の人間でも、環境や境遇によって異質な感情は生み出せるという恐怖」をあぶりだした本作。「もしかしたら自分も凶暴になることがあるのだろうか…」と考えることが最も恐ろしかったです。
私が見た『ESエス』 よりも2015年に公開された『プリズン・エクスペリメント』のほうが実際の実験により忠実に作られているそうなので、気になる方はぜひ、『プリズン・エクスペリメント』も楽しんでみて下さい!
元ネタとは…?
この映画は、1971年に実際に行われた「スタンフォード監獄実験」が元ネタ。
#映画で今日は何の日 もう結果の出た実験を繰り返すのは、単なる趣味の問題だと思います…。『#esエス』『#エクスペリメント』『#プリズン・エクスペリメント』8月14日【1971年、悪名高い「#スタンフォード監獄実験」が開始される。】#映画秘宝 #今日は何の日 #カリコレ2017 pic.twitter.com/s2HOEcQ7wZ
— 映画屋のジョン (@eigayajohn) August 14, 2017
1971年8月14日から1971年8月20日まで、アメリカ・スタンフォード大学心理学部で、心理学者フィリップ・ジンバルドーの指導で行われた「非人道的」とされる実験。
「11名の被験者を看守役に、10名を受刑者役にし、時間が経つに連れ、看守役はより看守らしく、受刑者役の被験者はより受刑者らしい行動をとるようになる」という研究結果を証明しました。
そんな巨大なウソがあるの? https://t.co/gHLOkhRjj8 #スタンフォード監獄実験 #暴く
— クーリエ・ジャポン (@CourrierJapon) August 19, 2018
スタンフォード大学が公開した実験の録音テープから、「刑務所長役」(ジンバルドー教授のアシスタント)から消極的な態度を示す「看守役」へ「残忍な看守」として振る舞うよう指示や指導があったとの指摘もあり、「看守役はより看守らしく、受刑者役はより受刑者らしい行動をとるよう仕向けられたのでは?」とも考えられ、実験結果そのものの信頼性が問われる事態となっています。
4『THE 4TH KIND フォース・カインド』
2009年に公開された『THE 4TH KIND フォース・カインド』は、記録映像と再現映像からなるドキュメンタリー映画。
あらすじと見どころ
舞台はアラスカ州北部の町ノーム地方。行方不明者数がアラスカ州最多となる町である。
2000年10月、ノーム在住の心理学者アビゲイル・タイラーのもとに、不眠を訴える住民が続々と訪れるようになる。ノーム地方だけで、不眠を訴えるのはなんと300人以上。タイラー博士は、彼らが眠れない理由を解明しようと催眠療法を行う。その記録映像は衝撃的なものだった。
この映画の特徴は、タイラー博士による実際の記録映像と音声、そしてその再現映像で構成されているというところ!
とにかく、映画の作り方がとても面白かった本作!視聴者に「現実にあった」と思わせるテクニックが、戸惑ってしまうほど上手い!(後述しますが、この映画の真相は不明です)ちょうど不眠で悩んでいた私は劇場まで足を運んだのですが、映画終了とともに映画館のみんなが「えっ?」みたいな雰囲気に包まれたのが印象的でした(笑)観終わったあと、頭の中で「えっと…いま何が起きたんだっけ?」と放心状態になる、なんとも不思議な映画でした。「現実味が押し寄せてくる恐怖感」はかなりワクワクします。
元ネタとは…?
究極のネタバレします!まだ観ていない人は飛ばしてください!
2000年、アラスカ州ノームにて、実際に起こった未解決事件を題材にしたという本作。
架空の人物や事件を、ドキュメンタリー風の表現方法で制作すること。
作品に登場する記録映像は、実在する人物(一部の人名は仮名)となっていますが、実際のところ、最も重要な登場人物である心理学者のアビゲイル・タイラー博士すら存在していません。
また、再現映像に写ったアビゲイルという女性も、イギリスのシャーロット・ミルチャードという女優さんっぽい…。
でも、何も知らない状態でこの映画を観たら「えっ?ホント?」と放心状態になるような、かなり刺激的なエンターテイメントだと思います。
3『ポゼッション』
2012年公開のホラー映画で、制作は『死霊のはらわた』や『スパイダーマン』の監督として有名なサム・ライミ!
あらすじと見どころ
妻と離婚し、週末にしか会えない二人の愛娘と過ごすことを楽しみにしている父クライド。ある日、次女のエミリーがガレージセールでアンティークの木箱を購入した。木箱の購入後、彼女に異変が起こり始める。だんだんと暴力的になり、奇行がエスカレートしていくエミリー。危機感を抱いたクライドは、木箱に隠された恐ろしい秘密を知る。
正統派の「悪魔祓い系」ホラー映画!まさに『エクソシスト』の現代版といった感じで、個人的にこういうホラー作品好きです。また『エクソシスト』と同じく、子役の女の子が「本当に憑かれちゃってるんじゃないの!?」レベルの名演技!
確かに、使い古された古典的な悪魔祓い系ストーリーなので、新鮮さには欠けるかもしれません。しかし、雰囲気の出し方がイイ!全体的にとにかく色彩が暗く、取り憑かれた少女の服装も徐々に無彩色になっていくのも、独特のイヤ~な感覚を与えます。(虫系が苦手な方はちょっと注意!)とにかく終始、不気味。そこに追い打ちをかける「実在する箱」がもうね…やめてほしいほど怖いです。
元ネタとは…?
こちらの映画で登場する「木箱」、実在する呪いの箱「ディビュークの箱」がモデルとなっています。
こちらの箱、「悪魔が封印されていて、箱を開けた人間は取り憑かれる」と噂される箱。
これが本物▼
オークションに出品されて以降、所有者が次々と奇妙な出来事を体験し、持ち主を転々としたというディビュークの箱。
現在は、ラスベガスにある「ザック・バガンズのお化け博物館」に展示されているそうで、今なお箱の中には悪魔が封印されているとか…。
2『シャイニング』
「Here is Johnny!(お客様だよ!)」でお馴染み、狂気のジャック・ニコルソン。
あらすじと見どころ
冬には営業を停止するホテルの管理人の仕事を引き受けた、小説家志望のジャック・トランス。しかしそのホテルは、以前の管理人が家族を斧で惨殺し自殺したといういわゆる「いわくつき」のホテル。
雪深い山奥のホテルに、家族3人で住み始めたトランス一家。しばらくすると、奇妙なことが起こりはじめ、家族の精神状態がおかしくなっていく…。
原作はスティーヴン・キング、監督はスタンリー・キューブリック。もう怖いしかないといえるコンビの名作。異常なほどの完璧主義であると言われるキューブリック監督ですから、徹底した演技指導で「俳優の精神状態がおかしくなっていた」としか思えない鬼気迫る作品。
独特な音楽と俳優のリアルな悲鳴、毒々しい色の怪しい小物たち…、目も耳も心臓もハラハラさせられる本当に怖くて素晴らしい作品です。ホラーが苦手な方にも観ていただきたいけど、本当に怖いので無理しないでください…。
元ネタとは…?
多くの方が観たことがあるだろう『シャイニング』、その原作はスティーヴン・キングの小説です。
スティーヴン・キング自身が、コロラドのスタンレーホテルに家族とともに宿泊した際、実際に体験した出来事がベースとなっているんです。
こちらが実際のスタンレーホテル▼
シーズン終了間近のスタンレーホテルに宿泊したというスティーヴン・キング。
宿泊客はキング夫妻と幼い息子だけで、ホテルのバーテンダーと軽く一杯飲んだその日の夜、息子が恐怖におびえながらホテルを走り回っている夢を見たことから、この作品が生まれたそう。
ちなみにこのホテル、多くの客が幽霊を見たと証言している、いわくつき。
1『エクソシスト』
悪魔祓い系ホラー映画の金字塔『エクソシスト』!
あらすじと見どころ
女優のクリス・マクニールと一人娘のリーガンは、映画撮影のためにワシントン近郊のジョージタウンに家を借りて生活していた。
ある日、12才の娘リーガンが卑猥な言葉を使ったり暴言を吐くなど、様子がおかしいことに気が付いた母クリス。荒々しい言動は徐々に激しくなり、恐ろしい声、顔も怪異なものに豹変し、病院に連れて行くが、医者から悪魔祓いを勧められる。その矢先、リーガンをみていてほしいと頼まれた友人の映画監督バーク・デニングズが殺害される。殺害したのはリーガンで、娘が悪霊に取り憑かれたと確信した母クリスは、ジョージタウンに住むデミアン・カラス神父に悪魔払いを依頼する。
古い作品ながら、あの映像と音楽、そして俳優の素晴らしい演技で、今なお恐怖の底に叩きつけられる名作です。
初めて観た時の衝撃たるや…忘れることのできない傑作ホラー映画。ホラー映画が苦手な方でも、一度は(チラッとでもいいから)観てほしいと思う作品です。初めて公開されたのは1973年。もう既に40年以上昔の作品ながら、当時の特殊メイクの技術の凄さ、47年前だからこそ許された、リーガン役リンダ・ブレアの「未成年スレスレ」の名演技、CGなどを使用しないアナログ撮影ゆえの恐怖…!そして、「神とは何か」を考えさせられる脚本の素晴らしさ…!どれをとっても色あせることのない傑作です。
あ、ちなみに続編は駄作として有名です…。
元ネタとは…?
『エクソシスト』の原作者は、「メリーランド悪魔憑依事件」を基に脚本を書いたと語っています。
この「メリーランド悪魔憑依事件」とは、1948年にアメリカはメリーランド州で13才の少年ロビーが悪魔に取り憑かれたとされる出来事。アメリカを震撼させたかなり大きな事件だったそう。
一人っ子だったというロビー少年、遊び相手はオカルト好きな叔母だったそうで、彼女が教えたウィジャ・ボード(日本でいうこっくりさん的なもの)でよく遊んでいたとのこと。その頃からポルターガイスト現象が起こり始め、その後、叔母が突然他界。ポルターガイスト現象はますますひどくなり、ロビー自身も奇妙な行動が増え、一家は教会に悪魔祓いを依頼。ロビーの悪魔祓いは2ヶ月以上にわたって30回も行われ、その内容は壮絶なものだったのだとか…。関わった牧師が重症を負うなどの危機はあったものの、結果的に悪魔祓いは成功し、ロビー少年も元気な体を取り戻したそう。
その後、精神医学の面から、解離性同一性障害や統合失調症、強迫神経症など、様々な憶測が流れましたが、結局現在まではっきりした理由は分かっていないそうです。
事実はホラー映画より怪奇なり
いかがでしたか?「実話です」と言われると、輪をかけて怖くなるホラー映画。
「事実は残酷である」というスパイスは、後味の悪い(でもクセになる)怖さ。